暑い日は犯罪が増えるのか。気温10℃上昇で暴力犯罪が9%増えた研究

暑さでいらいらしたことはありませんか。研究では、気温が高い日ほど、暴力的な犯罪が増える傾向がはっきり示されています。83の研究をまとめた分析では、気温が10℃上がると、暴力犯罪のリスクが9%高まっていました。
3行でわかる
- 83の研究をまとめたメタ分析で、気温が10℃上がると暴力犯罪のリスクが9%(95%信頼区間7〜12%)高まった。財産犯罪との関係は研究によってまちまちだった。
- 米国の都市を対象に46の研究を整理した2025年のレビューでは、93%の研究が暑さと犯罪・暴力の間に正の関連を見いだした。
- 米国の約3,000郡・30年分のデータを分析した研究では、気温が犯罪に強い正の影響を与えていた。
01犯罪者側から見ると何が起きているか
暑さは、人のいら立ちを高め、ささいなことで争いになりやすくします。暑い日は外で過ごす人も増え、人と人がぶつかる機会も多くなります。
暑さと暴力の結びつきには、暑さによるいら立ちや、外で過ごす人が増えるといった行動の変化が関わっていると考えられます。
一方で、盗みなどの財産犯罪については、暑さとの関係は研究によって結果が分かれています。暑い日に特に気をつけたいのは、争いごとやけんかです。
02研究と統計でわかっていること
暑さと暴力犯罪の関係は、多くの研究で一貫して確かめられています。
Choiら(2024)[1]
気温と犯罪の関係を調べた83の研究をまとめた。気温が10℃上がると、暴力犯罪のリスクが9%(95%信頼区間7〜12%)高まった。財産犯罪との関係は一貫していなかった。
対象: 世界の83の研究 / 限界: 研究ごとに地域や方法が異なる。
Azanら(2025)[2]
米国の都市で暑さと犯罪の関係を調べた46の研究を整理した。93%の研究が、暑さと犯罪・暴力の間に正の関連を見いだした。
対象: 46の研究 / 限界: 米国の都市の研究。
Ranson(2014)[3]
米国の2,997郡の30年分の月別データを分析し、気温が犯罪に強い正の影響を与えることを示した。遅れて現れる影響はほとんどなかった。
対象: 米国の郡の犯罪と気象データ / 限界: 米国のデータ。
03お金をかけずに今日からできること
暑い日は、争いを避ける工夫と、開けっぱなしの窓に気をつけます。
暑い日は「一呼吸」を意識する
いらっとしたら、すぐに言い返さず、その場を離れるか、水を飲んで一呼吸おきます。
所要 10秒
トラブルの相手と距離をとる
路上や電車で言い争いになりそうなら、関わらずに離れます。
所要 数秒
窓を開けたまま外出・就寝しない
暑い日でも、外出時や1階・ベランダ側の窓は閉めて鍵をかけます。
所要 習慣
04習慣にするコツ
暑い日は自分も相手もいら立ちやすいと知っておくことです。知っているだけで、争いに巻き込まれにくくなります。
- 暑さで体調を崩すと判断力も落ちる。こまめに水分をとる。
- 夜間の路上での言い争いには近づかない。
- けんかや暴力を見かけたら、自分で止めに入らず110番する。
05よくある質問
暑い日は犯罪が増えますか
83の研究をまとめた分析では、気温が10℃上がると暴力犯罪のリスクが9%高まりました。
盗みも暑い日に増えますか
財産犯罪と気温の関係は、研究によって結果が分かれており、はっきりしていません。
暑い日に気をつけることは
いら立ちによる争いを避けること、窓を開けたまま外出・就寝しないことです。
出典
- Choi, H. M., Heo, S., Foo, D., Song, Y., et al. (2024). Temperature, Crime, and Violence: A Systematic Review and Meta-Analysis. Environmental Health Perspectives, 132, 106001. https://doi.org/10.1289/EHP14300
- Azan, A., Choi, H. M., Matthay, E. C., Pezzella, F., et al. (2025). Examining the Association between Heat Exposure and Crime in Cities across the United States: A Scoping Review. Journal of Urban Health, 102, 352-378. https://doi.org/10.1007/s11524-025-00970-3
- Ranson, M. (2014). Crime, weather, and climate change. Journal of Environmental Economics and Management, 67(3), 274-302. https://doi.org/10.1016/j.jeem.2013.11.008