空き巣・侵入窃盗

空き巣はどんな家を狙うのか。下見のポイントと「5分」の研究

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Front door of a house with typical door furniture: a letter box, door knocker, a latch and two locks
Photo: Dave&Lynne Slater from Cumbria, United kingdom / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的統計をAIが調べて整理しました(防犯グッズ・商品の紹介はしていません。出典は末尾)。

空き巣は、たまたま目についた家に入るのではありません。下見で「留守か・入りやすいか・逃げやすいか」を確かめ、手早く入れそうな家を選んでいます。逆にいえば、その3点で「面倒な家」に見えれば、狙われにくくなります。

3行でわかる

  1. 空き巣が下見で見るのは「留守か」「入りやすいか」「逃げやすいか」の3点です。
  2. 研究では、家の豊かさよりも、近さや入りやすさの方が狙われやすさに強く影響していました。
  3. 警察庁は、侵入に5分かかると約7割があきらめると紹介しています。鍵・死角・近所の目で「時間がかかる家」にするのが基本です。

01犯罪者側から見ると何が起きているか

空き巣は、慣れた手順で家を「品定め」しています。見ているのは、留守かどうか、入りやすいか、逃げやすいかの3点です。

警察庁の防犯サイトによると、侵入者は下見をすることが多く、次のような点を確かめています。

ゴミの日が守られていない地域は、侵入者に安心感を与えるとも書かれています。ご近所の目が届いていない、というサインに見えるからです。

02研究と統計でわかっていること

住宅を狙った侵入窃盗は令和7年に1万7,152件で、増えています。研究では、決め手は家の豊かさより「近さ」と「入りやすさ」でした。

1万7,152件住宅を狙った侵入窃盗(令和7年、前年比7.2%増)
約47件1日あたりに起きている住宅の侵入窃盗
約7割侵入に5分かかるとあきらめる侵入者(警察庁の紹介)
20倍以上鍵と照明などを組み合わせた家の守られやすさ(英国の分析)

警察庁「住まいる防犯110番」(令和7年のデータ)[1][2]

住宅を狙った侵入窃盗は1万7,152件(前年比7.2%増)。1日あたり約47件です。手口は、一戸建てでは1位が「ガラス破り」、2位が「無締り(鍵のかけ忘れ)」。共同住宅では、3階建以下でも4階建以上でも1位が「無締り」でした。

対象: 全国の警察が認知した件数 / 限界: 届け出のあった被害だけの数字で、実際の被害はこれより多い可能性があります。

Townsleyら(2015)[4]

オランダ・イギリス・オーストラリアの3都市で、854人の侵入窃盗犯が起こした1,835件を分析しました。どの都市でも、犯人の家に近い地域、一戸建てが多い地域ほど狙われやすく、地域の豊かさは一貫した影響を示しませんでした。

対象: 1996〜2009年に解決した事件 / 限界: 捕まった犯人のデータのみ。地域単位の分析で、個々の家の特徴までは見ていません。

NeeとMeenaghan(2006)[5]

経験豊富な侵入窃盗犯50人への聞き取りで、45人が決まったパターンで家の中を物色していました。37人は「考えなくても体が動く」ような言葉で説明しており、手慣れた習慣で動いていることが分かりました。

対象: イギリスの受刑者50人(過去3年で20件以上) / 限界: 本人の話に基づく研究です。

Tseloniら(2017)[6]

イギリスの2008〜2012年の犯罪調査を分析すると、ドアと窓の鍵に屋外の照明などを組み合わせた家は、何も対策がない家に比べて、侵入被害から守られる度合いが20倍以上でした。単体では、屋外の照明とドアの二重ロックの効果が大きく出ました。

対象: イングランド・ウェールズの全国犯罪調査 / 限界: 日本の住宅にそのまま当てはまるとは限りません。

警察庁は、侵入に5分かかると侵入者の約7割があきらめ、10分以上かかるとほとんどがあきらめると紹介しています。手早く入れる家を選ぶ相手には、「時間がかかりそう」と思わせることが一番の対策になります。

03お金をかけずに今日からできること

まずは今ある鍵を全部、毎回かけることです。次に、留守のサインと死角を減らし、近所の目を味方にします。どれも費用はかかりません。

1

数分の外出でも、窓と玄関の鍵をかける

ゴミ出しや近所への買い物でも施錠します。窓に補助の鍵が付いているなら、それも使います。

所要 10秒

2

鍵を植木鉢の下やポストに置かない

警察庁は、侵入者はこうした隠し場所をしっかり見ていると注意しています。合鍵は必要な本数だけにします。

所要 1分

3

死角と足場を減らす

窓の前の植木を剪定し、塀の近くに脚立や台になる物を置かないようにします。

所要 30分

4

留守のサインを出さない

旅行の前は新聞を止め、郵便物が溜まらないようにします。

所要 5分

5

近所の人にあいさつする

警察庁によると、犯行をあきらめた理由で多いのは「近所の人に声をかけられたり、じろじろ見られた」ことです。

所要 毎日数秒

04習慣にするコツ

施錠は意識に頼らず、決まった動作とセットにすると続きます。空き巣が習慣で動くなら、守る側も習慣で守るのが一番です。

「ほんの数分だから」と鍵をかけずに出かける人は少なくありません。統計を見ると、その数分こそが狙われています。

05よくある質問

お金持ちの家ほど空き巣に狙われるのですか?

そうとは限りません。オランダ・イギリス・オーストラリアの3都市を比べた研究では、地域の豊かさが狙われやすさを一貫して高めるという結果は出ませんでした。犯人の家からの近さや、入りやすい一戸建ての多さの方が強く影響していました。

インターホンが鳴って出たら誰もいないときは?

いたずらと決めつけない方が安全です。警察庁は、留守かどうかをインターホンで確かめる手口が多いと紹介しています。安全を確保したうえで周りに不審な人がいないか確かめ、気になる場合は警察相談専用電話(#9110)に相談できます。

マンションの上の階なら鍵をかけなくても大丈夫?

大丈夫ではありません。警察庁の令和7年のデータでは、4階建以上の共同住宅でも侵入手口の1位は「無締り(鍵のかけ忘れ)」でした。高い階でも、玄関とベランダの窓を毎回施錠することが基本です。

防犯アラームは意味がないのですか?

イギリスの調査データを分析した研究では、アラーム単体の保護効果は低く出ました。ただしこれは過去の調査の傾向で、理由までは分かっていません。同じ研究では、ドアと窓の鍵に屋外の照明などを組み合わせた家の効果が大きく出ています。

出典

  1. 警察庁「住まいる防犯110番 データで見る侵入犯罪の脅威」(令和7年のデータ). https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_b_1.html
  2. 警察庁「住まいる防犯110番 手口で見る侵入犯罪の脅威」. https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_d_1.html
  3. 警察庁「住まいる防犯110番 侵入者プロファイリング(心理と行動)」. https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_e_1.html / https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_e_3.html
  4. Townsley, M., Birks, D., Bernasco, W., Ruiter, S., Johnson, S. D., White, G., & Baum, S. (2015). Burglar target selection: A cross-national comparison. Journal of Research in Crime and Delinquency, 52(1), 3-31. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4361488/
  5. Nee, C., & Meenaghan, A. (2006). Expert decision making in burglars. The British Journal of Criminology, 46(5), 935-949. https://doi.org/10.1093/bjc/azl013
  6. Tseloni, A., Thompson, R., Grove, L., Tilley, N., & Farrell, G. (2017). The effectiveness of burglary security devices. Security Journal, 30(2), 646-664. https://doi.org/10.1057/sj.2014.30