引っ越し直後は狙われやすい? 新居で最初の1週間にやっておきたい防犯

新しい部屋に引っ越したら、まず何をしますか。荷ほどきに追われて、防犯は後回しになりがちです。しかし研究では、住む人が入れ替わること自体が、住宅の犯罪被害のリスクを高めていました。前の住人の鍵、まだ慣れない窓の施錠。最初の1週間が肝心です。
3行でわかる
- 米国の研究では、住む人が入れ替わった住宅は、住宅ごとの元々の狙われやすさを考慮しても、犯罪の被害を受けやすくなっていた。
- 2025年の住宅への侵入窃盗では、共同住宅(3階建以下)の12.9%、4階建以上の24.6%が合かぎによる侵入だった。どの住宅でも無締りが最も多い手口の一つだった。
- 英国の研究では、ドアと窓の錠に外灯や補助錠を組み合わせると、対策のない家より20倍以上侵入されにくかった。
01犯罪者側から見ると何が起きているか
新居は、住む人も近所もお互いを知らず、鍵の管理も前の住人から引き継いだままのことがあります。侵入する側にとっては、隙が生まれやすい時期です。
研究では、住む人の入れ替わりが、それだけで住宅の犯罪被害のリスクを高めていました。近所との関係ができていないことや、生活の習慣がまだ定まっていないことが背景にあると考えられます。
共同住宅では、合かぎによる侵入が少なくありません。前の住人や工事の業者が鍵を持っていないか、確かめておくと安心です。
02研究と統計でわかっていること
住む人の入れ替わりは被害のリスクを高めます。侵入の手口では、無締りと合かぎに注意が必要です。
Xie & McDowall(2008)[1]
米国の全国犯罪被害調査の追跡データを分析した。住む人が入れ替わった住宅は、住宅ごとの元々の狙われやすさの違いを考慮しても、犯罪の被害を受けるリスクが高まっていた。
対象: 米国の住宅(1980〜85年の調査) / 限界: 鍵の問題を直接調べた研究ではない。
警察庁(2025年)[2]
侵入窃盗は4万7,233件で、1日あたり約47件。住宅への侵入の手口は、一戸建てで無締り41.5%・ガラス破り42.2%、共同住宅(3階建以下)で無締り47.4%・合かぎ12.9%、4階建以上で無締り39.5%・合かぎ24.6%だった。鍵を郵便受けなど玄関付近に置かないこと、複製は最低限にして管理することを勧めている。
対象: 全国の警察が認知した侵入窃盗 / 限界: 前の住人の鍵が使われた件数は示されていない。
Tseloniら(2017)[3]
英国の犯罪被害調査(2008〜2012年)を分析した。外灯とドアの二重錠・本締り錠が最も効果的で、ドアと窓の錠に外灯や防犯チェーンを組み合わせると、対策のない家より20倍以上、侵入されにくかった。
対象: 英国の住宅 / 限界: 英国のデータで、住宅の構造が日本とは異なる。
03お金をかけずに今日からできること
入居した日から、鍵と施錠の習慣を整えます。多くはお金をかけずにできます。
鍵の交換を確かめる
管理会社や大家さんに、入居前に鍵を交換したかを聞きます。交換していなければ、相談します。
所要 10分
すべての窓の鍵を確かめる
入居した日に、すべての窓とドアの鍵がきちんとかかるかを確かめます。
所要 10分
合かぎを外に置かない
合かぎは郵便受けや植木鉢の下などに置かず、本数を最小限にして管理します。
所要 習慣
04習慣にするコツ
新しい家での施錠の習慣を、最初の1週間で決めてしまうことです。最初に決めた行動は、その後も続きやすくなります。
- 近所の人にあいさつをして、顔見知りを増やす。
- 引っ越しの段ボールを長く外に出しておかない。
- 不審な人や車に気づいたら、#9110や110番に連絡する。
05よくある質問
引っ越し直後は狙われやすいのですか
米国の研究では、住む人が入れ替わった住宅は犯罪の被害を受けやすくなっていました。
前の住人の鍵が心配です
管理会社や大家さんに、入居前に鍵を交換したかを確かめましょう。共同住宅では合かぎによる侵入も少なくありません。
新居で最初にやることは
すべての窓とドアの鍵がかかるかを確かめ、合かぎを外に置かず、施錠の習慣をつくることです。
出典
- Xie, M., & McDowall, D. (2008). The Effects of Residential Turnover on Household Victimization. Criminology, 46(3), 539-575. https://doi.org/10.1111/j.1745-9125.2008.00123.x
- 警察庁. 「住まいる防犯110番」侵入窃盗の発生状況・手口. https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_d_1_main.html
- Tseloni, A., Thompson, R., Grove, L., Tilley, N., & Farrell, G. (2017). The effectiveness of burglary security devices. Security Journal, 30(2), 646-664. https://doi.org/10.1057/sj.2014.30