防犯の心理学

防犯カメラは犯罪を減らすのか。40年分の研究が示す効果と限界

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CCTV is watching you
Photo: James Allan / CC BY-SA 2.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的統計をAIが調べて整理しました(防犯グッズ・商品の紹介はしていません。出典は末尾)。

防犯カメラは犯罪を減らします。ただし効果は「控えめ」で、場所と使い方で大きく変わります。40年分の研究をまとめた分析では、効果が最も大きかったのは駐車場で、人が見守っているカメラや、照明などと組み合わせたカメラほど効いていました。

3行でわかる

  1. 防犯カメラは、犯罪を有意に、しかし控えめに減らします。
  2. 効果が最も大きく安定していたのは駐車場で、車の盗難や車上ねらいでした。暴力犯罪には効果が見られませんでした。
  3. カメラ単体より、照明や見回りなどと組み合わせた方が効果は大きくなりました。

01犯罪者側から見ると何が起きているか

犯罪者がカメラを嫌うのは「見られて、後で捕まるかもしれない」からです。逆に、その場の感情で起きる犯罪には、カメラは歯止めになりにくいと考えられます。

車上ねらいのような物を狙う犯罪では、カメラは「割に合わない」と思わせる材料になると考えられます。

カメラは「ここは見られている」というサインです。夜道の明かりや地域の手入れと同じく、犯罪者の判断に働きかける道具だといえます。

02研究と統計でわかっていること

防犯カメラの効果は確かにありますが控えめです。駐車場で最も効き、人が見ているカメラや他の対策との組み合わせで効果が大きくなります。

40年分防犯カメラの評価研究をまとめたメタ分析の対象期間
44件2008年のキャンベル共同計画のレビューが集めた評価研究

Pizaら(2019)[1]

40年分の評価研究をまとめたメタ分析で、防犯カメラは犯罪の有意で控えめな減少と結びついていました。効果が最も大きく安定していたのは駐車場で、住宅地でも有意な減少が見られました。人が見守るカメラは録画だけのカメラより、他の対策と組み合わせたカメラは単独のカメラより、効果が大きくなりました。

対象: 世界各地の評価研究 / 限界: 著者らは、カメラを単独の対策として置くのではなく、車や物を狙う犯罪に絞って使うべきだと述べています。

WelshとFarrington(2008, キャンベル共同計画の系統的レビュー)[2]

英国・米国・カナダ・ノルウェー・スウェーデンの44件の評価を分析しました。カメラの効果は控えめで、駐車場の車の犯罪に最も効き、暴力犯罪には効果が見られませんでした。カメラが広い範囲を映しているほど効果は大きくなりました。

対象: 44件のうち34件が英国の研究 / 限界: 駐車場の6件はすべて、警備員や照明、フェンスと組み合わせた対策でした。

Tseloniら(2017)[3]

英国の犯罪調査では、家の防犯対策のうち単体で効果が大きかったのは屋外の照明とドアの二重ロックで、防犯アラームの効果は低く出ました。複数の対策の組み合わせは、足し算以上の効果を生んでいました。

対象: イングランド・ウェールズの全国犯罪調査 / 限界: 防犯カメラそのものは分析の中心ではありません。

03お金をかけずに今日からできること

カメラがあるかどうかより、カメラが効く条件を整えることです。カメラに頼り切らず、鍵・明かり・人の目と組み合わせます。

1

車の中に物を置かない

カメラが最も効くのは駐車場の車の犯罪でした。カメラがあっても、外から見える場所にバッグなどを置かないのが基本です。

所要 10秒

2

住まいのカメラが「動いているか」を管理会社に聞く

録画されているか、誰かが確認しているかで効果は変わります。

所要 5分

3

カメラのある場所の明かりと見通しを保つ

暗い・植木で隠れているカメラは役に立ちません。組み合わせが効果を大きくします。

所要 20分

4

「カメラがあるから」と鍵を省かない

カメラは見られているというサインにはなりますが、施錠の代わりにはなりません。

所要 5秒

04習慣にするコツ

防犯を「1つの設備」ではなく「重ねる習慣」で考えることです。研究でも、組み合わせた対策ほど効果が大きくなっていました。

「カメラがあれば安心」と考える人は少なくありません。研究は、カメラは控えめな道具で、組み合わせて初めて力を発揮すると示しています。明かりの効果は「街灯を明るくすると犯罪は減るのか」で紹介しています。

05よくある質問

防犯カメラは犯罪を減らしますか?

減らしますが、効果は控えめです。40年分の研究をまとめた分析では、防犯カメラは犯罪の有意で控えめな減少と結びついていました。最も効果が大きかったのは駐車場でした。

防犯カメラはどんな犯罪に効きやすい?

駐車場での車の盗難や車上ねらいなど、物を狙う犯罪です。キャンベル共同計画のレビューでは、暴力犯罪には効果が見られませんでした。

カメラがあれば鍵はかけなくてもいい?

いいえ。研究では、カメラは単独より照明などと組み合わせた方が効果が大きく、家の防犯で単体の効果が大きかったのは照明とドアの二重ロックでした。施錠が基本です。

どんな防犯カメラが効果的?

人が見守っているカメラは録画だけのカメラより効果が大きく、映す範囲が広いほど効果が大きくなっていました。特定の製品をすすめる研究ではありません。

出典

  1. Piza, E. L., Welsh, B. C., Farrington, D. P., & Thomas, A. L. (2019). CCTV surveillance for crime prevention: A 40-year systematic review with meta-analysis. Criminology & Public Policy, 18(1), 135-159. https://doi.org/10.1111/1745-9133.12419
  2. Welsh, B. C., & Farrington, D. P. (2008). Effects of closed circuit television surveillance on crime. Campbell Systematic Reviews, 4(1). https://doi.org/10.4073/csr.2008.17
  3. Tseloni, A., Thompson, R., Grove, L., Tilley, N., & Farrell, G. (2017). The effectiveness of burglary security devices. Security Journal, 30(2), 646-664. https://doi.org/10.1057/sj.2014.30