空き巣・侵入窃盗

空き巣は昼と夜どちらが多いのか。10年分のデータでわかった「暗さ」というリスク

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Wisconsin Field House
Photo: SecretName101 / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的統計をAIが調べて整理しました(防犯グッズ・商品の紹介はしていません。出典は末尾)。

「空き巣は、仕事や外出で留守にしている日中に多い」。そう思っている人は多いのではないでしょうか。たしかに留守であることは狙われる条件の一つですが、長期の警察データを分析した研究では、それとは別に「暗さ」そのものが侵入窃盗のリスクを大きく高めていることがわかっています。在宅していても関係ない、暗くなってからの時間帯の話です。

3行でわかる

  1. 英国10年分の警察データでは、暗くなった時間帯の侵入窃盗は、日中より2.58倍多く発生していた。
  2. 「留守にしがちな日中」だけでなく、日が沈んでからの見えにくさそのものが、侵入のしやすさに関わっていた。
  3. 街灯を明るくした実験では、夜間の屋外での財産犯罪が16%減っており、「見えやすさ」を保つことが対策になる。

01犯罪者側から見ると何が起きているか

侵入窃盗の犯人にとって、暗さは「誰かに見られて発見される心配」を減らす条件であり、留守かどうかより重要な場合がある。

犯罪学では、犯罪は「動機を持った人」「ちょうどいい対象」「見張りの不在」の3つが重なったときに起きやすいと考えられています(ルーティン・アクティビティ理論)。この「見張り」には、近所の人の目や、たまたま通りかかった人の視線も含まれます。空き巣が下見で家を選ぶときに重視する点も、結局は「見られずに、短時間で入れるか」という計算です。

暗さは、この計算を犯人側に有利にします。英国の警察データを10年分分析した2025年の研究では、照明の有無とは別に「暗いか明るいか」を基準にして犯罪リスクを比較しました。その結果、暗い時間帯は侵入窃盗のオッズ(発生しやすさ)を2.58倍に高めていたと報告されています[1]。研究者らは、暗さが周囲からの視認性を下げ、犯人が「発見されるリスク」を低く見積もるようになることが背景にあると説明しています。つまり、家の中に人がいるかどうかとは別の理由で、暗くなった時間帯そのものが狙われやすくなるということです。

02研究と統計でわかっていること

暗くなった時間帯は、侵入窃盗だけでなく自転車盗や車両関連の犯罪でもリスクが上がることが、長期データと別の都市の実験で確認されている。

2.58倍暗い時間帯の侵入窃盗リスク(日中比、英国サウスヨークシャー2010〜2019年)
2.6倍完全な暗闇での街頭強盗の増加(ロンドン、2002〜2003年)
16%減街灯更新後の夜間の屋外財産犯罪の減少(米フィラデルフィア、2023〜2024年)

Uttley, Canwell, Smith, Falconer, Mao & Fotios(2025)[1]

10年分の警察データを分析し、暗い時間帯は日中と比べて侵入窃盗のオッズが2.58倍(95%信頼区間 2.24〜2.97)だったと報告した。自転車盗(1.68倍)や車両関連の犯罪(2.00倍)でも、同様に暗さがリスクを高めていた。

対象: 2010〜2019年、英国サウスヨークシャー172地域、犯罪34,618件/限界: 英国の1地域のデータであり、日本の住宅事情にそのまま当てはまるとは限らない。

Tompson & Bowers(2013)[2]

侵入窃盗ではなく街頭強盗を対象にした研究だが、完全な日中から完全な暗闇に変わると、強盗の発生件数がロンドンで2.6倍、グラスゴーで1.2倍に増えたと報告している。暗さの影響は、侵入窃盗に限らず複数の犯罪で共通して見られる。

対象: 2002〜2003年のロンドン・グラスゴー、強盗10,643件/限界: 侵入窃盗そのものではなく街頭強盗が対象。街灯などの人工照明の明るさは考慮されていない。

MacDonald, Chalfin, Moritz, Wade, Mendlein, Braga & South(2026)[3]

米フィラデルフィアで3万4千基を超える街灯を明るいものに交換したところ、夜間の屋外で起きた財産犯罪が16%減った(95%信頼区間 -18.88%〜-13.95%)。街灯と犯罪の関係を調べた他の研究とも一致する結果で、「見えやすさ」を保つこと自体に効果があることを裏づけている。

対象: 13,275ブロック、街灯34,374基、2023〜2024年に実施・2022〜2024年のデータで分析/限界: 人口密度の高い都市での結果であり、効果の測定期間は平均3.28か月と短期にとどまる。

03お金をかけずに今日からできること

留守でなくても、暗くなる前に鍵と照明を見直すだけで、家の周りの「見えやすさ」を保てる。

1

日没の少し前に、玄関と道路から見える窓の鍵を確認する

家に誰かがいても、暗くなる前に一度、玄関と道路側の窓の鍵を確認する習慣にする。留守のときだけの作業にしない。

所要 1分

2

外から見える照明は、暗くなる前からつけておく

玄関灯や勝手口の照明を、暗くなり始める前からつけておく。すでにある照明にタイマー機能があれば、それを使うだけでよい。

所要 設定に3分

3

玄関・窓の前の見通しをふさがない

植木や荷物によって、道路や隣家から玄関・窓が見えにくくなっていないか確認する。見通しを保つだけで、周囲の目が届きやすくなる。

所要 5分

04習慣にするコツ

「暗くなったら」を、帰宅や夕食などすでにある日課に結びつけると、忘れずに続けられる。

05よくある質問

空き巣は日中の留守中に多いのではないのですか

留守であることも狙われる条件の一つですが、今回の研究では「暗さ」自体が侵入窃盗のリスクを高める、留守かどうかとは別の要因であることがわかりました。在宅していても、暗くなれば家の周りは見えにくくなります。

海外の研究は日本の住宅にも当てはまりますか

対象は英国やアメリカのデータで、日本とは住宅の形や街灯の密度に違いがあります。ただ、暗さが周囲から見られるリスクを下げるという考え方自体は、場所を問わず成り立つとみられます。

玄関灯をつけっぱなしにすれば十分ですか

照明だけで完全に防げるわけではありません。鍵をかけることや、玄関・窓の前の見通しを保つことと組み合わせて、初めて効果が期待できます。

出典

  1. Uttley, J., Canwell, R., Smith, J., Falconer, S., Mao, Y., & Fotios, S. (2025). Does darkness increase the risk of certain types of crime? A registered report. PLOS ONE, 20(6), e0324134. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0324134
  2. Tompson, L., & Bowers, K. (2013). A Stab in the Dark?: A Research Note on Temporal Patterns of Street Robbery. Journal of Research in Crime and Delinquency, 50(4), 616-631. https://doi.org/10.1177/0022427812469114
  3. MacDonald, J. M., Chalfin, A., Moritz, M., Wade, B., Mendlein, A. K., Braga, A. A., & South, E. (2026). Can Enhanced Street Lighting Improve Public Safety at Scale? Criminology & Public Policy, 25(1), 31-62. https://doi.org/10.1111/1745-9133.70006