子どもの安全

子どもへの声かけはいつ・どこで起きるのか。下校時間の統計と、身につく防犯練習

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WB CR 218 School crosswalk, Clay County, Florida
Photo: Michael Rivera / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的統計をAIが調べて整理しました(防犯グッズ・商品の紹介はしていません。出典は末尾)。

子どもへの声かけは、下校の時間帯に、道路で、子どもが1人のときに集中しています。埼玉県の令和7年のデータでは、約半数が15時台〜17時台でした。その時間と場所に合わせて備え、家で実際に練習しておくことが一番の対策です。

3行でわかる

  1. 声かけ事案の57.6%は下校・帰宅の途中、74.2%は道路上、61.5%は子どもが1人のときに起きていました(埼玉県、令和7年)。
  2. 防犯の動画を見せるだけでは、子どもの行動は変わりませんでした。
  3. 保護者が実際の場面に近い形で練習させると、子どもは正しく断って離れられるようになりました。

01犯罪者側から見ると何が起きているか

声をかける側は、子どもが1人で、周りに大人がいない瞬間を選んでいます。誘い方も「お菓子」や「道を教えて」など、子どもが断りにくい形をとります。

埼玉県警察は、声かけ事案を「誘拐や性犯罪などの重大な犯罪の前ぶれ」と位置づけています。誘い方には、次のような型があります。

行為者の年代は30代から60代まで幅広く、見た目で「怪しい人」を見分けることはできません。だからこそ、相手ではなく「状況」で判断できるようにしておくことが大切です。

02研究と統計でわかっていること

声かけは時間・場所・状況に偏りがあります。そして子どもの防犯は、知識を教えるより、体で練習した方が身につきます。

48.6%15時台〜17時台に起きた声かけ事案(埼玉県、令和7年)
74.2%道路上で起きた割合
61.5%子どもが1人で行動していたときの割合
57.6%下校・帰宅の途中に起きた割合

埼玉県警察「子供に対する声かけ事案」(令和7年中)[1]

声かけ事案は2,434件でした。小学生と中学生が78.6%、女子が63.6%を占めます。場所は道路が74.2%で、公園9.7%、駅4.4%と続きます。

対象: 埼玉県警察が把握した18歳以下への声かけ事案 / 限界: 1つの県のデータで、届け出られなかった事案は含まれません。

Miltenbergerら(2013)[2]

6〜8歳の子どもに防犯の動画を見せても、見なかった子どもと防犯の行動に差はありませんでした。その後、保護者が実際の場面で練習させると、どちらの子どもも成績が大きく上がりました。

対象: 米国の6〜8歳の子ども / 限界: 練習用の「知らない人」は協力者が演じた場面での評価です。

Gunbyら(2010)[3]

6〜8歳の3人の子どもに、「断る」「安全な場所へ走る」「大人に知らせる」を、説明・手本・練習・その場での声かけで教えました。3人とも身につけ、1か月後も保たれていました。

対象: 自閉症のある男児3人 / 限界: 人数が少なく、すべての子どもに同じ効果があるとは限りません。

03お金をかけずに今日からできること

「断る・離れる・知らせる」の3つを、家で体を動かして練習することです。あわせて、下校の時間帯に1人になる区間を減らします。

1

「断る・離れる・知らせる」を決める

誘われたら「行かない」と言い、走って離れ、家の人か近くの大人に話す。この3つだけを覚えます。

所要 5分

2

親が誘う役になって練習する

「道を教えて」「お菓子あるよ」と実際に声をかけ、子どもが3つを体でできるか確かめます。動画や説明だけでは身につきにくいことが分かっています。

所要 10分

3

通学路で1人になる区間を一緒に歩いて確かめる

逃げ込める店や「子供110番の家」の場所を、子どもと一緒に確認します。

所要 30分

4

「話してくれてありがとう」と言う

何かあったときに話しやすい家にしておくと、「知らせる」が実行されやすくなります。

所要 毎日数秒

04習慣にするコツ

練習は一度で終わらせず、季節ごとに繰り返します。日が短くなる秋冬は、下校時間の暗さも合わせて見直します。

「うちの子は大丈夫」と思う保護者は少なくありません。研究は、知っていることとできることは別だと示しています。夜道の明るさについては「街灯を明るくすると犯罪は減るのか」も参考にしてください。

05よくある質問

子どもへの声かけはいつ多いのですか?

下校の時間帯です。埼玉県の令和7年のデータでは、15時台〜17時台が48.6%を占め、57.6%が下校・帰宅の途中に起きていました。

「知らない人について行かない」と教えるだけで十分?

十分ではありません。米国の研究では、防犯の動画を見せただけの子どもは、見ていない子どもと行動に差がありませんでした。保護者が実際の場面で練習させると、正しく行動できる子どもが増えました。

友だちと一緒なら安全ですか?

安全とは言い切れません。埼玉県のデータでは61.5%が1人のときでしたが、2人のときも17.1%、4人以上のときも13.7%ありました。人数に関係なく「断る・離れる・知らせる」は同じです。

声をかけられたと子どもから聞いたら?

まず話してくれたことをほめ、いつ・どこで・どんな人かを聞き取ります。そのうえで学校と警察に伝えましょう。緊急なら110番、そうでなければ#9110で相談できます。

出典

  1. 埼玉県警察本部 生活安全部生活安全総務課「子供に対する声かけ事案(令和7年中)」. https://www.police.pref.saitama.lg.jp/documents/912/koantaisakur7.pdf
  2. Miltenberger, R. G., et al. (2013). Efficacy of the stranger safety abduction-prevention program and parent-conducted in situ training. Journal of Applied Behavior Analysis, 46, 817-820. https://doi.org/10.1002/jaba.80
  3. Gunby, K. V., Carr, J. E., & LeBlanc, L. A. (2010). Teaching abduction-prevention skills to children with autism. Journal of Applied Behavior Analysis, 43(1), 107-112. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2831438/