子どもの安全

犯罪が起きにくい通学路とは。見通し・人の目・手入れの研究

約5分で読めます

The photo depicts a residential driveway entrance during the daytime. The entrance is marked by a stone pillar on the left with the house nu
Photo: ZeLonewolf / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的統計をAIが調べて整理しました(防犯グッズ・商品の紹介はしていません。出典は末尾)。

犯罪が起きにくい通学路とは、「見通しが良く、人の目があり、手入れされている道」です。子どもへの声かけの7割以上は道路上で起きており、道そのものの条件を親子で知っておくことが対策になります。

3行でわかる

  1. 埼玉県の令和7年のデータでは、子どもへの声かけの74.2%が道路上、9.7%が公園で起きていました。
  2. 環境設計による防犯(CPTED)の研究は、見通し・人の目・手入れなどの条件が犯罪と犯罪への不安を減らすことを支持しています。
  3. 街灯の改善も、犯罪を有意に減らすことが系統的レビューで示されています。

01犯罪者側から見ると何が起きているか

声をかける側が選ぶのは、周りから見えにくく、助けを呼ばれにくい場所です。逆に、見通しが良く人の目がある道では、行動に移しにくくなります。

犯罪者にとって都合のよい場所には、共通する特徴があります。

こうした場所は「誰も見ていない、誰も気にしていない」というサインになります。

02研究と統計でわかっていること

子どもへの声かけは道路で最も多く起きています。場所の見通しや手入れを整える考え方は、犯罪と不安を減らすことが研究で支持されています。

74.2%子どもへの声かけが道路上で起きた割合(埼玉県、令和7年)
9.7%公園で起きた割合(同)

埼玉県警察「子供に対する声かけ事案」(令和7年中)[1]

声かけ事案2,434件のうち、道路上が1,807件(74.2%)、公園が236件(9.7%)、駅が107件(4.4%)でした。下校・帰宅の途中が57.6%、子どもが1人のときが61.5%を占めています。

対象: 埼玉県警察が把握した18歳以下への声かけ事案 / 限界: 1つの県のデータです。

Cozensら(2005)[2]

環境設計による防犯(CPTED)の大規模な評価を整理したレビューで、CPTEDが地域の犯罪と犯罪への不安を減らすことを支持する研究が増えていると結論づけました。CPTEDの要素には、見守り(自然な監視)、手入れ、出入りの管理、地域の活動の後押しなどがあります。

対象: 大規模なCPTEDの評価研究 / 限界: 著者らは、証拠はまだ決定的ではなく批判もあると述べています。

WelshとFarrington(2008, キャンベル共同計画の系統的レビュー)[3]

街灯の改善は犯罪を有意に減らしていました。夜だけでなく昼の犯罪も減っており、明るさが「地域が気にかけている」というサインとして働いている可能性が指摘されています。

対象: 公共の場所で街灯を改善した評価研究 / 限界: 質の高い評価と長期の追跡が今後必要とされています。

03お金をかけずに今日からできること

親子で通学路を歩き、「見えにくい・人の目がない・手入れされていない」場所を一緒に探すことです。危ない場所が分かれば、避け方も決められます。

1

親子で通学路を歩いてみる

子どもの目の高さで、道の先が見えるか、近くに家の窓や店があるかを確かめます。

所要 30分

2

「入りやすく、見えにくい場所」に印をつける

植え込みの陰、空き地、人通りのない公園の裏などを地図に書き込みます。

所要 15分

3

逃げ込める場所を決めておく

店や「子供110番の家」など、困ったときに入れる場所を一緒に確認します。

所要 10分

4

切れた街灯や放置されたゴミを伝える

学校や自治会、市区町村に伝えると、道の手入れにつながります。

所要 5分

04習慣にするコツ

通学路の点検は、学年が変わるときや季節が変わるときに繰り返します。道の様子は、工事や空き家などで変わっていくからです。

「通学路は学校が決めているから安全」と考える保護者は少なくありません。道の条件は日々変わるので、家庭での確認が役に立ちます。時間帯と練習の方法は「子どもへの声かけはいつ・どこで起きるのか」で紹介しています。

05よくある質問

子どもへの声かけはどこで多いのですか?

道路上です。埼玉県の令和7年のデータでは、声かけ事案の74.2%が道路上、9.7%が公園で起きていました。

犯罪が起きにくい道の条件は?

見通しが良く、人の目があり、手入れされている道です。環境設計による防犯(CPTED)の研究は、こうした条件が犯罪と犯罪への不安を減らすことを支持しています。

CPTEDとは何ですか?

建物や道などの環境の設計で犯罪を防ぐ考え方です。自然な見守り、手入れ、出入りの管理、地域の活動の後押しなどの要素があります。

通学路で危ない場所を見つけたら?

子どもと避け方を決めたうえで、学校や自治会、市区町村に伝えましょう。身の危険を感じる出来事があれば110番です。

出典

  1. 埼玉県警察本部 生活安全部生活安全総務課「子供に対する声かけ事案(令和7年中)」. https://www.police.pref.saitama.lg.jp/documents/912/koantaisakur7.pdf
  2. Cozens, P. M., Saville, G., & Hillier, D. (2005). Crime prevention through environmental design (CPTED): A review and modern bibliography. Property Management, 23(5), 328-356. https://doi.org/10.1108/02637470510631483
  3. Welsh, B. C., & Farrington, D. P. (2008). Effects of improved street lighting on crime. Campbell Systematic Reviews, 4(1). https://doi.org/10.4073/csr.2008.13