在宅中でも押し入る侵入強盗。増える手口と、家でできる備え

家に人がいても押し入る「侵入強盗」は、住宅を狙ったものが令和7年に146件と前年より13.2%増えました。警察庁は、在宅かどうかに関係なく窓ガラスを割って押し入る悪質な手口に注意を呼びかけています。在宅中も鍵をかけ、入るまでに時間がかかる家にすることが基本です。
3行でわかる
- 住宅を狙った侵入強盗は令和7年に146件で、前年比13.2%増でした。
- 空き巣のつもりで入った侵入者が、帰宅した家人と鉢合わせして強盗に変わることもあります。
- SNSの「闇バイト」募集をきっかけに犯罪に加わった人も多く、若い実行役が使い捨てにされています。
01犯罪者側から見ると何が起きているか
闇バイトの実行役は、表に出ない指示役の指示で動く若者が中心です。入るのに時間がかかる家は、それだけで犯行の障害になります。
警察白書によると、こうした犯罪を行うグループは、SNSなどで実行役を集め、中心人物は表に出ないようにしています。
- 関連する犯罪で検挙された人の約6割が20歳代まで、20歳代前半が23.4%で最多
- 約3割(1,823人)は、SNS上の募集を見たことが犯行のきっかけ
- 主犯・指示役は約1割にとどまる
また警察庁は、誰もいないと思って入った侵入者が家人と鉢合わせすると、持っていた工具が凶器に変わることもあると注意しています。
02研究と統計でわかっていること
侵入強盗は全体では減ってきましたが、住宅を狙ったものは増えています。窓とドアを守る対策は、こじ開ける侵入を減らすことが研究で示されています。
警察庁「住まいる防犯110番」(令和7年のデータ)[1][2]
侵入強盗は349件で前年比2.2%減でしたが、住宅を対象としたものは146件で13.2%増えました。家人の在宅の有無にかかわらず、窓ガラスを割って押し入るなどの悪質な手口が起きていると注意しています。
対象: 全国の警察が認知した件数 / 限界: 件数は少なく、年によって変動しやすい数字です。
警察庁「令和8年版 警察白書」[3]
令和7年に検挙された、匿名・流動型犯罪グループによるとみられる犯罪の人員は、20歳代前半が23.4%で最も多く、20歳代までが約6割でした。約3割にあたる1,823人は、SNS上の犯罪実行者の募集に接したことがきっかけでした。
対象: 主な資金獲得犯罪の検挙人員 / 限界: 強盗だけでなく詐欺や窃盗なども含む数字です。
Tseloniら(2017, Crime Science)[4]
英国では、ドアと窓の鍵に防犯照明を組み合わせた家が広まるにつれ、無理やりこじ開ける侵入が減りました。対策のない家の危険は相対的に高まっていました。
対象: 英国の1992〜2011/12年の犯罪調査 / 限界: 英国の空き巣のデータで、侵入強盗を直接調べたものではありません。
03お金をかけずに今日からできること
在宅中も施錠し、知らない人をすぐに家へ入れないことです。窓の守りと、家の情報を話さないことも大切です。
家にいるときも玄関と窓の鍵をかける
在宅中を狙う手口があります。昼間でも施錠を習慣にします。
所要 10秒
訪問者にはインターホン越しに対応する
業者や役所を名乗られても、すぐにドアを開けず、名前と用件を確かめます。
所要 1分
電話や訪問で家族構成や現金の話をしない
知らない相手に家の中の情報を伝えないようにします。
所要 0分(習慣だけ)
外出時と就寝時は雨戸やシャッターを閉める
警察庁は、ガラス破りへの対策として雨戸を閉めることを挙げています。
所要 1分
04習慣にするコツ
「在宅中も鍵」「すぐ開けない」を家族のルールにすることです。1人暮らしの親がいる場合は、一緒に確認しておきます。
- 家族で「インターホンにはまず画面で出る」と決める。
- 離れて暮らす親に、在宅中の施錠と電話への注意を伝える。
- 窓ガラスが割れる音などがしたら、身の安全を最優先にして110番する。
「家に人がいれば入ってこない」と考える人は少なくありません。統計は、在宅中でも押し入る手口が増えていることを示しています。窓の守りは「窓から入られないために」で紹介しています。
05よくある質問
侵入強盗は増えているのですか?
住宅を狙ったものは増えています。警察庁のデータでは、令和7年は146件で前年比13.2%増でした。侵入強盗全体は349件で2.2%減です。
家に人がいれば押し入られませんか?
安全とは言えません。警察庁は、家人の在宅の有無にかかわらず窓ガラスを割って押し入る悪質な手口に注意を呼びかけています。在宅中も施錠しましょう。
闇バイトの強盗にはどんな人が関わっていますか?
警察白書では、関連する犯罪の検挙人員の約6割が20歳代まででした。約3割はSNS上の募集を見たことがきっかけで、主犯・指示役は約1割にとどまります。
家に押し入られたらどうすればいい?
抵抗するより、身の安全を最優先にしてください。逃げられる場合は外へ逃げ、できるだけ早く110番します。
出典
- 警察庁「住まいる防犯110番 データで見る侵入犯罪の脅威」(令和7年のデータ). https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_b_1.html
- 警察庁「住まいる防犯110番 器具で見る侵入犯罪の脅威」. https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_c_1.html
- 警察庁「令和8年版 警察白書 トピックス」(匿名・流動型犯罪グループ). https://www.npa.go.jp/publications/whitepaper/r08/pdf/03_topics.pdf
- Tseloni, A., Farrell, G., Thompson, R., Evans, E., & Tilley, N. (2017). Domestic burglary drop and the security hypothesis. Crime Science, 6. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7089640/