窓から入られないために。ガラス破りの手口と、時間をかけさせる工夫

一戸建ての侵入窃盗で最も多い手口は「ガラス破り」です。窓ガラスを割り、手を入れて鍵(クレセント錠)を外して入ります。普通のガラスは数秒で割れるので、窓に「開けるまでの時間」を足すことが対策の中心になります。
3行でわかる
- 一戸建ての侵入手口の1位はガラス破り、侵入口の1位は窓でした(令和7年)。
- ガラス破りは、近所への買い物やペットの散歩のような短い留守でも起きます。
- 侵入に5分かかると約7割があきらめるとされ、窓に時間をかけさせることが大切です。
01犯罪者側から見ると何が起きているか
侵入者は、ドライバー1本でガラスを割り、手を差し込んで鍵を外します。手が届く位置に開く鍵があることが、窓を狙う理由です。
警察庁によると、侵入者が窓で見ているのは次のような点です。
- 窓のクレセント錠が開けやすい位置にあるか
- 庭木などの死角があるか
- 足場になる物があるか
鍵を外して窓を開けるまでの手順が短いほど、侵入者にとっては好都合です。
02研究と統計でわかっていること
一戸建てでは窓が最大の侵入口です。窓とドアの鍵の組み合わせは、こじ開ける侵入を減らすことが英国の研究で示されています。
警察庁「住まいる防犯110番」(令和7年のデータ)[1][2]
一戸建ての侵入手口は「ガラス破り・無締り・合かぎ」の順、侵入口は「窓・表出入口・その他の出入口」の順でした。普通のガラスは数秒で割れ、近所への買い物などわずかな留守でも被害に遭う可能性があります。
対象: 全国の警察が認知した件数 / 限界: 届け出のあった被害のみです。
警察庁「侵入者プロファイリング(心理と行動)」[3]
侵入に5分かかると侵入者の約7割はあきらめ、10分以上かかるとほとんどがあきらめるとされています。
対象: 警察庁の防犯サイトの紹介 / 限界: 元になった調査の詳細はこのページには書かれていません。
Tseloniら(2017)[4]
英国の犯罪調査では、ドアと窓の鍵に屋外の照明などを組み合わせた家は、対策のない家より侵入被害から20倍以上守られていました。
対象: イングランド・ウェールズの全国犯罪調査 / 限界: 日本の住宅にそのまま当てはまるとは限りません。
03お金をかけずに今日からできること
窓を閉めて鍵をかけ、窓の周りから死角と足場をなくすことです。短い外出でも同じです。
短い外出でも窓を閉めて施錠する
ガラス破りは、ゴミ出しや散歩の間にも起きます。
所要 30秒
付いている補助の鍵を必ず使う
クレセント錠だけでなく、窓に補助の鍵があれば両方かけます。開けるまでの時間が増えます。
所要 10秒
外出時は雨戸やシャッターを閉める
警察庁がガラス破りの対策として挙げている方法です。
所要 1分
窓の近くの足場と死角をなくす
脚立や台になる物を片付け、窓の前の植木を剪定します。
所要 30分
04習慣にするコツ
家の窓を一度すべて数え、「閉める順番」を決めることです。順番が決まると、確認の漏れが減ります。
- 家中の窓の数を数え、出かける前に同じ順番で回る。
- トイレや浴室の小さな窓も忘れずに確認する。
- 夏は換気したい窓を決め、それ以外は閉めておく。
「窓の鍵は閉めているから大丈夫」と考える人は少なくありません。ガラス破りは鍵ごと外される手口なので、時間をかけさせる工夫が必要です。在宅中を狙う手口は「在宅中でも押し入る侵入強盗」で紹介しています。
05よくある質問
空き巣はどこから入ることが多いですか?
一戸建てでは窓です。警察庁の令和7年のデータでは、一戸建ての侵入口の1位が窓、手口の1位がガラス破りでした。
ガラス破りとはどんな手口ですか?
窓ガラスを割り、そこから手を入れてクレセント錠などを外して侵入する手口です。普通のガラスは数秒で割れてしまいます。
窓の防犯でお金をかけずにできることは?
短い外出でも窓を閉めて施錠し、補助の鍵があれば使い、外出時は雨戸を閉めることです。窓の近くに足場になる物を置かないことも大切です。
侵入に時間がかかると本当にあきらめますか?
警察庁は、侵入に5分かかると約7割があきらめ、10分以上かかるとほとんどがあきらめると紹介しています。
出典
- 警察庁「住まいる防犯110番 手口で見る侵入犯罪の脅威」(令和7年のデータ). https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_d_1.html
- 警察庁「住まいる防犯110番 侵入者プロファイリング(心理と行動②)」. https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_e_2.html
- 警察庁「住まいる防犯110番 侵入者プロファイリング(心理と行動③)」. https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_e_3.html
- Tseloni, A., Thompson, R., Grove, L., Tilley, N., & Farrell, G. (2017). The effectiveness of burglary security devices. Security Journal, 30(2), 646-664. https://doi.org/10.1057/sj.2014.30