防犯の心理学

地域の見守り・防犯パトロールに効果はあるのか。犯罪16〜26%減の研究と、参加者が減る現実

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The sidewalk between Franklin and Arma, Crawford County, Kansas, said to be the longest between two communities in the United States at 1.7
Photo: Ser Amantio di Nicolao / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的統計をAIが調べて整理しました(防犯グッズ・商品の紹介はしていません。出典は末尾)。

通学路に立つ人、夕方に町内を回る青色回転灯の車。地域の見守り活動に、本当に犯罪を減らす力はあるのでしょうか。研究のまとめでは、見守り活動のある地域で犯罪が16〜26%少ないという結果が出ています。一方で、日本の防犯ボランティアの数は減り続けています。

3行でわかる

  1. 地域の見守り活動(ネイバーフッド・ウォッチ)の研究をまとめたメタ分析では、見守り活動のある地域で犯罪が16〜26%少なかった。
  2. 武器を持たず逮捕の権限もほとんどない職員が、犯罪の多い場所を1日に2回ほど多く歩いて回る実験では、犯罪が39%減った。
  3. 日本の防犯ボランティア団体は2024年末で4万2,847団体・221万4,467人。2022年末の45,106団体・242万8,679人から減っている。

01犯罪者側から見ると何が起きているか

犯罪を考える人は、地域の人の目を嫌います。見守る人がいる地域では、「見られているかもしれない」と感じて行動を控えやすくなります。

見守り活動の効果は、犯罪を見つけて捕まえることよりも、人の目があることを示して犯罪を思いとどまらせることにあると考えられます。

英国の実験では、武器を持たず逮捕の権限もほとんどない職員が歩いて回るだけで、犯罪が減りました。特別な力がなくても、人の目そのものに効果があることを示しています。

02研究と統計でわかっていること

見守り活動は犯罪の減少と関係しています。一方、日本では担い手が減っています。

16〜26%見守り活動のある地域での犯罪の少なさ(メタ分析)
39%減犯罪の多い場所を歩いて回る実験での犯罪の変化
221万人日本の防犯ボランティアの構成員数(2024年末)

Bennettら(2008)[1]

地域の見守り活動の効果を調べた研究をまとめた(キャンベル共同計画)。12の研究・18の評価をまとめたメタ分析で、見守り活動は犯罪の16〜26%の減少と関係していた。英国の人口の4分の1以上、米国の40%以上が見守り活動のある地域に住んでいた。

対象: 主に英米の見守り活動 / 限界: 研究の質にばらつきがある。

Arielら(2016)[2]

英国で犯罪の多い72か所を無作為に分け、武器を持たない地域支援職員が1日に約2回多く、10分ずつ歩いて回った。回った場所では犯罪が39%、緊急通報が20%減った。犯罪が周りに移るのではなく、周りでも減る傾向が見られた。

対象: 英国の72か所 / 限界: 職員は有給で、ボランティアではない。

警察庁(2025年)[3]

2024年末時点で警察が把握している防犯ボランティア団体は4万2,847団体、構成員は221万4,467人。青色回転灯を付けた車を持つ団体は9,376団体あった。2022年末は4万5,106団体・242万8,679人で、団体数・構成員数とも減っている。

対象: 月1回以上活動する5人以上の団体 / 限界: 活動の効果は集計されていない。

03お金をかけずに今日からできること

特別な活動に参加しなくても、ふだんの外出を「見守り」に変えられます。

1

「ながら見守り」をする

散歩や犬の散歩、買い物のついでに、子どもの下校時間に合わせて歩きます。

所要 習慣

2

あいさつをする

通学路の子どもや近所の人にあいさつをします。見慣れない人にも気づきやすくなります。

所要 数秒

3

地域の活動を調べる

自治会や警察署で、地域の見守り活動や防犯ボランティアの情報を聞いてみます。

所要 10分

04習慣にするコツ

無理をしないことです。月に1回でも、ついででも、続けられる形が一番の見守りになります。

05よくある質問

防犯パトロールに効果はありますか

研究のまとめでは、地域の見守り活動がある地域で犯罪が16〜26%少ないという結果が出ています。

日本の防犯ボランティアはどれくらいいますか

警察庁によると、2024年末で4万2,847団体・221万4,467人で、減少が続いています。

忙しくても参加できますか

散歩や買い物のついでに子どもの下校時間に合わせて歩く「ながら見守り」なら、無理なく続けられます。

出典

  1. Bennett, T., Holloway, K., & Farrington, D. P. (2008). The Effectiveness of Neighborhood Watch. Campbell Systematic Reviews, 4(1). https://doi.org/10.4073/csr.2008.18
  2. Ariel, B., Weinborn, C., & Sherman, L. W. (2016). "Soft" policing at hot spots—do police community support officers work? A randomized controlled trial. Journal of Experimental Criminology, 12(3), 277-317. https://doi.org/10.1007/s11292-016-9260-4
  3. 警察庁. 『令和7年版 警察白書』第2章「犯罪防止に向けた取組」. https://www.npa.go.jp/hakusyo/r07/honbun/html/bb2241000.html