ひったくりはピーク時の約110分の1に。それでも年479件、被害の6割は女性

ひったくりは、かつて年5万件を超えていました。2002年の5万2,919件をピークに減り続け、2025年は479件。約110分の1です。それでも被害はなくなっておらず、その6割は女性です。犯人の多くは、バイクや自転車で近づいて逃げていきます。
3行でわかる
- ひったくりは2002年の5万2,919件をピークに減少し、2025年は479件だった。検挙率は76.0%。
- 2025年の被害者の61.4%が女性。年代別では20代が103件で最も多かった。
- 検挙された事件の逃走手段は、オートバイ123件、自転車85件、自動車29件だった。
01犯罪者側から見ると何が起きているか
ひったくりをする側は、バイクや自転車で後ろから近づき、すぐに逃げられる相手と場所を選びます。片手で持ったバッグや、自転車の前かごは狙われやすくなります。
京都市のひったくりを分析した研究では、歩行者や人口が多く、住宅以外の建物から見通しのよい場所でも、ひったくりが起きていました。道路の明るさは、大きな要因ではありませんでした。
人通りが多い場所でも安心はできません。むしろ狙う相手が多い場所で、すぐに逃げられる条件がそろうと、ひったくりは起きやすくなります。
02研究と統計でわかっていること
ひったくりは大きく減りましたが、なくなってはいません。被害者の多くは女性で、若い世代の被害も目立ちます。
警察庁(2025年の統計)[1]
ひったくりの認知件数は2016年の3,493件から2025年の479件まで減った。2025年の検挙率は76.0%。被害者のうち女性は294件(61.4%)。年代別では20代が103件で最も多かった。検挙された事件の逃走手段はオートバイ123件、自転車85件、自動車29件だった。
対象: 全国の警察が認知した事件 / 限界: 届け出られていない被害は含まれない。
警察庁(2013年の白書)[2]
ひったくりは2002年の5万2,919件をピークに10年連続で減少し、2012年は1万83件だった。2012年に検挙された人の40.5%は少年だった。
対象: 全国の認知・検挙状況 / 限界: 2012年時点のデータ。
Takizawaら(2010)[3]
京都市のひったくりの発生場所を分析した。発生場所では、歩行者や人口、住宅以外の建物からの見通しが比較的高かった。道路の明るさは主な要因ではなかった。住宅地では特定の場所で起きやすく、繁華街では場所を問わず起きていた。
対象: 京都市の発生データ / 限界: 1つの市の分析。
03お金をかけずに今日からできること
バッグの持ち方と自転車のかごの工夫で、ひったくりの「すぐ取れる」条件をなくします。
バッグは車道と反対側に持つ
歩くときは、バッグを建物側の手で持つか、斜めがけにします。
所要 習慣
自転車の前かごにカバーを付ける
前かごにひったくり防止のカバーやネットを付け、荷物を取られにくくします。
所要 5分
後ろから近づく音に気をつける
歩きながらのスマホや両耳のイヤホンを控え、後ろから近づくバイクや自転車に気づけるようにします。
所要 習慣
04習慣にするコツ
「すぐ取れる」状態をつくらないことを習慣にすることです。持ち方を一度決めてしまえば、意識しなくても続けられます。
- バッグを強く引っ張られたら、無理に離さないと転んでけがをすることがある。命を優先する。
- 大金や大事なものは、バッグとは別に身につける。
- 被害にあったら、すぐに110番する。
05よくある質問
ひったくりはどれくらい減りましたか
警察庁によると、2002年の5万2,919件をピークに減り続け、2025年は479件でした。
ひったくりにあいやすいのは誰ですか
2025年の被害者の61.4%が女性で、年代別では20代が最も多くなっています。
ひったくりを防ぐ持ち方は
バッグは車道と反対側に持つか斜めがけにし、自転車の前かごにはカバーを付けましょう。
出典
- 警察庁. 「令和7年の刑法犯に関する統計資料」(2026年8月). https://www.npa.go.jp/toukei/seianki/R07/r07keihouhantoukeisiryou.pdf
- 警察庁. 『平成25年版 警察白書』第2章. https://www.npa.go.jp/hakusyo/h25/honbun/html/p2120000.html
- Takizawa, A., Koo, W., & Katoh, N. (2010). Discovering Distinctive Spatial Patterns of Snatch Theft in Kyoto City with CAEP. Journal of Asian Architecture and Building Engineering, 9(1), 103-110. https://doi.org/10.3130/jaabe.9.103