AI時代の防犯

「警察です」の電話は疑っていい。ニセ警察詐欺が急増した理由と、だまされる心の流れ

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Payphone in Ōmori Station (railway station in Ōta, Tokyo, Japan)
Photo: Syced / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的統計をAIが調べて整理しました(防犯グッズ・商品の紹介はしていません。出典は末尾)。

「あなたの口座が犯罪に使われている」「捜査のために資産を確認する」。警察官を名乗る電話で、お金をだまし取る手口が急増しています。2025年、このニセ警察詐欺は11,014件、被害額は1,005.0億円にのぼり、特殊詐欺全体の約4割を占めました。被害は高齢者だけでなく、20代・30代にも広がっています。

3行でわかる

  1. 2025年のニセ警察詐欺は11,014件、被害額は1,005.0億円で、特殊詐欺の認知件数の39.6%を占めた。
  2. 件数は30代(2,239件)と20代(1,718件)が多く、被害額は70代と60代が大きい。若い人も狙われている。
  3. 詐欺の被害者の語りを分析した研究では、信頼させる、感情を揺さぶる、自分で止められなくなる、という3段階の流れが示されている。

01犯罪者側から見ると何が起きているか

だます側は「警察」という肩書きで信頼させ、「あなたが疑われている」と不安にさせて、考える余裕を奪います。

ニセ警察詐欺は、警察官などを名乗り、捜査を名目に現金などをだまし取る手口です。警察庁は2025年からこの手口の統計を取り始めました。

例えば、次のような話が出たら詐欺を疑います。

電話でお金や暗証番号を求められたら、相手が警察を名乗っていても、まず詐欺を疑うことが大切です。

02研究と統計でわかっていること

ニセ警察詐欺は2025年の特殊詐欺の約4割を占めました。だまされる過程には、信頼、感情の揺さぶり、自制の喪失という段階があります。

11,014件ニセ警察詐欺の認知件数(2025年)
1,005.0億円ニセ警察詐欺の被害額(2025年)
39.6%特殊詐欺の認知件数に占める割合(2025年)
922.5万円ニセ警察詐欺の1件当たり被害額(既遂、2025年)

警察庁(2025年の統計)[1]

ニセ警察詐欺は11,014件、被害額は1,005.0億円で、特殊詐欺の認知件数の39.6%を占めた。件数は30代が2,239件、20代が1,718件と若い年代に多く、被害額は70代が274.6億円、60代が256.3億円と大きい。既遂1件当たりの被害額は922.5万円だった。

対象: 全国の警察が把握した件数 / 限界: 届け出のあった被害のみの数字。

Huangら(2026)[2]

電話・通信の詐欺の被害に遭った71人への聞き取りから、だまされる過程を「信頼させる」「感情を操る」「行動を自分で止められなくなる」の3段階に整理した。大学の調査では、被害に遭った人は真実を確かめようとする姿勢が低く、人を信じ込みやすい傾向が高かった。

対象: 被害者71人への聞き取りと大学の調査 / 限界: 中国での研究で、被害の後に振り返った回答。

Muellerら(2020)[3]

18〜82歳の281人を調べた研究で、若い人のグループは年上のグループより詐欺にだまされやすく、年上のグループは詐欺をよりリスクが高いと感じていた。

対象: オンラインで募集した281人 / 限界: 投資詐欺の場面を想定した調査で、実際の被害を調べたものではない。

03お金をかけずに今日からできること

警察を名乗る電話でお金の話が出たら、電話を切って自分で確かめます。どれもお金はかかりません。

1

お金・暗証番号の話が出たら切る

警察を名乗る相手が、振り込み、暗証番号、資産の確認を求めてきたら、その場で電話を切ります。

所要 10秒

2

自分で警察に確かめる

電話で言われた番号ではなく、自分で調べた最寄りの警察署か、警察相談専用電話(#9110)にかけて確かめます。

所要 5分

3

「誰にも話すな」と言われたら、すぐ話す

口止めは、相談させないための手口です。家族や身近な人にすぐ話します。

所要 数分

04習慣にするコツ

肩書きより「何を求めているか」で判断することです。信頼させ、不安にさせ、急がせる流れに気づいたら止まります。

05よくある質問

警察を名乗る電話でお金を求められたらどうすればいいですか

その場で応じず電話を切り、自分で調べた警察署の番号か警察相談専用電話(#9110)にかけて確かめます。警察を名乗り捜査名目でお金をだまし取るのが、ニセ警察詐欺の手口です。

ニセ警察詐欺はどれくらい起きていますか

警察庁によると、2025年は11,014件、被害額は1,005.0億円で、特殊詐欺の約4割を占めました。

若い人も狙われますか

はい。2025年の件数は30代と20代が最も多く、若い年代にも被害が広がっています。

出典

  1. 警察庁. 「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」(2026年5月22日). https://www.npa.go.jp/bureau/criminal/souni/tokusyusagi/hurikomesagi_toukei2025.pdf
  2. Huang, Y., Gao, J., Zhou, Y., He, Q., & Gao, X. (2026). Psychological Processes of Telecommunications Fraud: Development of a Three-Stage Framework. Journal of Medical Internet Research, 28, e87395. https://doi.org/10.2196/87395
  3. Mueller, E. A., Wood, S. A., Hanoch, Y., Huang, Y., & Reed, C. L. (2020). Older and wiser: age differences in susceptibility to investment fraud. Journal of Elder Abuse & Neglect, 32(2), 152-172. https://doi.org/10.1080/08946566.2020.1736704