AI時代の防犯

SNSの投資話はなぜ「LINEに移動」するのか。1,288億円のSNS型投資詐欺の入り口と出口

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Gabriel Santiago 2015-05-28
Photo: Gabriel Santiago gabrielssantiago / CC0 / Wikimedia Commons
AIによる調査公開された研究と公的統計をAIが調べて整理しました(防犯グッズ・商品の紹介はしていません。出典は末尾)。

SNSで見かけた投資の広告や、知らない人からのメッセージ。やりとりを続けるうちに「詳しくはLINEで」と誘われ、気づけば大金を送っている。2025年、SNS型投資詐欺は9,523件、被害額は1,288.0億円にのぼりました。SNS型投資・ロマンス詐欺の既遂1件当たりの被害額は1,213.3万円でした。

3行でわかる

  1. 2025年のSNS型投資詐欺は9,523件、被害額は1,288.0億円で、前の年より約5割増えた。
  2. 最初のきっかけは広告とダイレクトメッセージで約8割を占め、被害時の連絡ツールはLINEが9割以上だった。
  3. 被害者は40代から60代が多く、男性が約6割。危険を知っているだけでは防げず、「自分は対処できる」という自信が予防行動につながるという研究がある。

01犯罪者側から見ると何が起きているか

だます側は、人が多く集まるSNSで広く声をかけ、反応した人を自分たちが管理しやすいLINEなどのやりとりに移して、時間をかけて信用させます。

警察庁の統計では、2025年のSNS型投資詐欺の最初の接触ツールは、Instagram、YouTube、LINEが多く、TikTokやX(Twitter)も増えています。

一方、被害に遭ったときの連絡ツールは、LINEが8,906件と9割以上を占めていました。入り口はさまざまでも、やりとりは一つの場所に集められています。

例えば、次のような流れには注意が必要です。

02研究と統計でわかっていること

被害は増え続けていて、入り口は広告とDM、やりとりはLINEに集中しています。危険を知っているだけでは、予防行動につながりにくいこともわかっています。

9,523件SNS型投資詐欺の認知件数(2025年)
1,288.0億円被害額(2025年)
約8割きっかけが広告とダイレクトメッセージだった割合
93.5%被害時の連絡ツールがLINEだった割合

警察庁(2025年の統計)[1]

SNS型投資詐欺は9,523件、被害額は1,288.0億円で、前の年より件数・被害額とも約48%増えた。最初の接触手段はバナーなどの広告が3,785件、ダイレクトメッセージが3,549件で、全体の約8割。被害時の連絡ツールはLINEが8,906件で93.5%を占めた。被害者は男女とも40代から60代が多く、男性が約6割だった。

対象: 全国の警察が把握した件数 / 限界: 届け出のあった被害のみの数字。

Chenら(2026)[2]

中国の大学生765人を調べた。ネット詐欺の危険を知っていることに加えて、「自分は詐欺に対処できる」という自信(自己効力感)が、実際の予防行動と結びついていた。研究者は、危険を知らせるだけでなく、対処できる力を育てる教育が必要だとしている。

対象: 中国の大学生765人 / 限界: 一時点の調査で、因果は確かめていない。

Martinら(2020、査読前)[3]

自分のリスクの好みを考えさせる簡単な課題を行うと、60歳以上のグループでは、詐欺の特徴がある投資のメールにだまされにくくなった。60歳未満のグループでは効果が見られなかった。

対象: 若いグループと60歳以上のグループ / 限界: 専門家の査読を受けていない論文で、実験の場面での結果。

03お金をかけずに今日からできること

お金を送る前に立ち止まる「決まり」を、自分で前もって作っておきます。お金はかかりません。

1

「LINEに移って」で止まる

SNSで知り合った人や広告から、別のアプリでのやりとりに誘われたら、それ自体を警戒のサインと考えます。

所要 0分(決めておくだけ)

2

送金先と会社を自分で調べる

投資の会社や送金先の名前を、自分で検索して確かめます。知らない個人名義の口座への振り込みは求められても応じません。

所要 10分

3

送る前に誰かに見せる

やりとりの画面を家族や知人に見せます。迷ったら警察相談専用電話(#9110)や消費者ホットライン(188)に相談します。

所要 数分

04習慣にするコツ

危険を知るだけでなく、「こうなったら止まる」と自分で決めておくことです。決まりがあると、その場の勢いに流されにくくなります。

05よくある質問

SNS型投資詐欺はどれくらい起きていますか

警察庁によると、2025年は9,523件、被害額は1,288.0億円でした。前の年より件数・被害額とも約5割増えています。

なぜLINEに移るよう言われるのですか

被害時の連絡ツールはLINEが9割以上でした。だます側がやりとりを管理しやすい場所に移していると考えられます。別のアプリへの誘いは警戒のサインです。

詐欺だと知っていれば防げますか

知っているだけでは十分でないことがあります。研究では、自分は対処できるという自信が予防行動と結びついていました。止まる決まりを前もって作ることが役立ちます。

出典

  1. 警察庁. 「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」(2026年5月22日). https://www.npa.go.jp/bureau/criminal/souni/tokusyusagi/hurikomesagi_toukei2025.pdf
  2. Chen, L., Li, H., Chua, Y. P., & Chen, J. (2026). When awareness is not enough: online fraud susceptibility, threat awareness, anti-fraud self-efficacy and online scam prevention behavior. Frontiers in Psychology, 17, 1857855. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2026.1857855
  3. Martin, M., Rae, J., Krastev, S., et al. (2020). A personal financial risk assessment intervention decreases investment fraud susceptibility in older adults. PsyArXiv(査読前論文). https://doi.org/10.31234/osf.io/psgnw